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滋賀の県立高校の劣等生だった小田氏は、その後、記憶術を操り、東京大学を卒業、松下政経塾に入り 人間教育というライフワークに出会う。 そして今、都内や地方で人間教育を広めるべくの講演活動を行っているらしい。 もしも、僕が17歳の頃、この講演活動に出会い、記憶術を習得していたら、 もっと華やかな人生が歩めたんじゃないか! と一瞬思ったし、そう思わせる魔術的な何かを小田氏は持っていたような気がする。しかし、数々の失敗を経験してきた今の僕にはこの魔法は通用しないのだ。 いくら記憶できる頭を手に入れたところで、人には感情というものが確実に存在する。 その感情というものは十人十色であり、僕の場合、たくさんの物事を記憶しておくと、その一つ一つが気になって仕様がなくなるという感情の持ち主なのである。 そのため、頭の中のたくさんの情報を操るどころか、そのたくさんの情報を処理することができず、また、そのたくさんの情報に一喜一憂してしまうため、パニック状態になってしまうという性分なのだ。 だから、その感情を押し殺してまで記憶術を手に入れることができなかっただろうし、 ましてや、これからもできまい。 多分、この記憶術とやらを習得できる人は、ある種、冷静で感情を無視してまでも物事に取り組める特殊な能力を持ち合わせているのだと思う。 小田氏は、「誰でもこの記憶術を習得できる!」と語っていた。 残念だが、僕には一生習得できないだろう。 この感情に支配されている限り…。 |
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